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今年の正月休みは、実家で甲州味噌作りをしました。
私にとって、味噌は実家からもらうもので、結婚して家を出てから買ったことがありませんでした。
夫の実家の愛媛県からは麦味噌、私の実家からは、毎年両親が作った甲州味噌をもらっていました。
子どもたちもその味で育ってきました。
ところが昨年、私の父にがんが見つかり治療することになりました。
その時初めて、今まで普通に食べていたものが食べれなくなることに気がついたのです。
私は、「そうか仕方ないな・・・」くらいにしか思わなかったのですが、孫である娘が、「あの味噌は、どこの味噌とは違う、あんなに味噌の香りがする味噌はないよ」と言い出しました。
そうだ、今のうちに、父が元気なうちに、あの味噌の作り方を教えてもらおう!!
父の治療の区切りがつくお正月に、みんなで味噌を作ることになりました。
それから父は治療の傍ら、豆を煮るときに使う薪の準備をしたり、麹屋さんに行って材料の準備をしてくれました。
新年の4日5日の味噌作りの様子です。
大釜で大豆を煮ます。
豆が指でつぶれるくらいになったら、豆をざるにあけます。
豆をつぶします。
予め塩を混ぜた麹と、つぶした豆をよく混ぜます。
麹と混ぜた豆をお団子にして、樽の底の壁面めがけてたたきつけ、最後は平らにならします。
空気に触れないようにして、重しをかけて、これを10カ月寝かします。
きっと美味しい味噌が出来るに違いありません。
今まで伝えられて来たことを次の世代につなぐこと、
また、家族が集まって一つの事をなし遂げる、こんな機会も大切なのだと改めて感じました。
父の病をきっかけにそんなことを気付かせてもらいました。
多分これからお正月の味噌作りは続いていくと思います。